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空の在処
空には島が浮かんでいて、そこには我々地上人が想像もしないような文明が築き上げられている。
そんな夢物語を聞いたことがないだろうか。
行き場を失くした者がたどり着く島。
”空ノ在処”
神は流れ者を空へと移した。
数百年を経て、文明は開花する。
神を崇め、慈しむ。
雲が晴れ、光が差し込むその景色の中に確かにそれはあった。
空を彷徨い続ける島が。
人々は神を崇め、文明を発達させていた。
陽が沈む。
夜の帳が下り、人々は祭壇に火をつける。
神を讃える儀式が始まるのだ。
一斉に声を張り上げる。空気と一体化した音は天高くこだましているようだ。
儀式は夜通し行われた。
陽が昇り空ノ在処は動き出す。
雷鳴が轟く嵐の中を。
文明を語り継ぐ
終わりのない空の旅。
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