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インディオの火
インディアンの聖地、セドナでは毎年のように火を囲み、精霊を讃える感謝祭が行われる。
今年もそろそろそんな季節。
おっと、インディアン達がやってきたようだ…
今日は感謝祭。荒野の向こうからインディアンの一族がやってきた。
老若男女様々なインディアン達が祭りの準備のために集まってきたのだ。
彼らは森に入っていく。すこし後をつけてみよう。
背の高い木々に囲まれた原生林。彼らはどこに向かっているのだろうか。
あたりも暗くなってきた。森を抜けた先にある彼らの集落では祭りの準備が行われている。
そして感謝祭が始まった。
インディアン達は火を囲み儀式を始めた。
精霊達への感謝を込めて精一杯歌う者。演奏をする者。
彼らにとって音楽は精霊達との交信手段である。子供達も見よう見まねで一緒に歌う。
そして火を囲み踊りだした。
全身全霊、心から楽しむことがこの祭りの唯一の掟。
彼にとってそれが精霊達への感謝の印であった。
酒を飲み、馳走を食し、彼らの祭は次第に終わりを迎えた。
一年に一度の感謝祭は彼らにとって楽しみであると同時に終わりを迎えたときの喪失感も相当なものであった。
そして降り出した悲しみの雨。神も感情的になってしまったのだろうか。
大粒の雨はインディオの大地に降り注ぐ。
雨はインディオの火を消し去り、祭りの終わりを告げるかのように去って行った。
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